新春特別企画
〜VSゴウカザル(第二部)〜

第一部では机上論的な1対1での対策法を紹介しましたが、
第二部では筆者の対戦経験から感じた対策法をまとめました。


4.迂闊にサルを寄せ付けない

筆者が対戦から学んだことですが、ゴウカザルに先手を取られて一撃で落とされるポケモンがパーティに3匹以上いたら、その時点で相手の思う壺です。
例えば、受けとしてハピナスとフォレトスを両方組んだようなパーティは、ゴウカザルを呼びやすく、暴走の起点にされ兼ねません。

極端な話ですが、フーディン、スターミー、ダグトリオ、プテラ、マリルリ、オオスバメの6匹でパーティを組んだ場合はどうでしょうか。相手のゴウカザルは拘りスカーフ仕様でもない限り付け入ってくる隙がありませんよね。これが重要です。

パーティを構築する段階で、ゴウカザルを意識して、相性の悪いポケモンは1〜2匹に抑える。ゴウカザルより素早いポケモン(スカーフでも良いから)を最低でも1匹入れておく。これだけでも形勢は大分変わってくるはずです。

「相手が使ってくるかどうかすら不明なのにそこまで警戒する必要があるのか」との声も聞こえてきそうですが、ゴウカザルは無警戒では本当に6タテされる危険を持ったポケモンです。神経を尖らせてまで警戒するに相応しいと筆者は信じています。


5.ボディーブローでじわじわと

ゴウカザルは進化前に怠けるを覚えますが、まず使ってきません。
つまり蓄積されたダメージは確実に溜まっていくわけです。

まず、多くのゴウカザルに利用される命の珠
技の威力が1.3倍になりますが最大HPの10%のダメージを受けます。これを言い換えれば最大でも10回しか攻撃できないということです。

次にステルスロック
これはゴウカザルの場合、場に出した際に12.5%(8分の1)のダメージを受けます。これも言い換えれば、最大9回まで(8で割った余りの関係で)しか場に出せません。

そして、砂嵐や霰
毎ターン後に6.25%(16分の1)ダメージです。

実際に計算してみましょう。砂嵐中でステルスロックが撒かれた場に命の珠を装備したゴウカザルが出てきて、先手でインファイトを打ってこちらのポケモンを倒したとします。

1ターン後のダメージは、
12.5+10+6.25=28.75≒30%
となります。お分かりでしょうか。こちらは倒されただけで何もしていないのに、相手は最大HPの30%弱ものダメージを受けました。

この時、こちらが先に挙げた速攻で潰すポケモン(フーディン等)を出せば、相手は逃げる可能性が高いですよね。すると、再び場に戻ってきた際は、今と同様に30%近くのダメージを見込めます。こちからは攻撃しなくとも3〜4回後には自滅します。
ここに、毒びしやまきびし、直接ゴウカザルに毒や猛毒を仕込めば、更に自滅を早めることができます。


6.読みで制す

前項の5.と組み合わせるとより効果的です。

例えば、プレーヤーA:ハピナスとプレーヤーB:ゴウカザルが対峙しているとします。
A側はインファイトを警戒して、スターミーに入れ替えます。
次のターン、B側は普通であればゴウカザルは退きます。これで1ターン稼げました。
ではなぜ退くのでしょうか。
当然、スターミーの方が素早く、波乗りやサイコキネシスで弱点を付かれ倒されてしまうからです。

では、A側はスターミーではなくミロカロスに入れ替えたとします。
仮定として、ミロカロスはゴウカザルのインファイト+草結びを確実に耐えるとします。
この時にゴウカザルが退くか退かないかはB側の残りのポケモン次第です。
A側にはハピナスが居ます。B側はこのハピナスをゴウカザル以外のポケモンで倒せるメドが立っていて、ミロカロスに苦戦するようであれば、草結びで突っ込んできます。
一方、ハピナス対策をゴウカザルに任せ切りなら何としても温存を図り退きます(もしくはとんぼ返り)

ここで、Aは波乗りを選択すれば、「ゴウカザルを追い返すorダメージを受けながらもゴウカザルを倒せる」という安全な結果を得ることができます。
※本件の趣旨はあくまでゴウカザル対策ですので、A側がミロカロスを失うことによるその後のリスクは考えません。

別例を紹介します。
A:メタグロス  B:ゴウカザル
A:ミロカロスに交代  B:大文字
A:波乗りを選択 B:交換orとんぼ返りor草結び

このケースも同様です。A側のメタグロスを倒せるポケモンがゴウカザルのみだった場合は、絶対に失うわけにはいかないので、無謀に突っ込んでくることはありません。

この項で言いたいことは、相手と自分の手持ちポケモンをよく見極めて、相手の心理状態を読めば、安全な選択を取ることができるということです。

ゴウカザルを引っ込めさせているうちに、5.で挙げた命の珠やステルスロック等のダメージ蓄積や、相手がゴウカザルを後出しした際にダメージを蓄積することもでき、勝機は見出せます。


7.逆に起点にする

ここまでは、相手のゴウカザルをいかにやり過ごすかということに重点を置いて考察してきました。今回は、逆にこちらから攻めます。

例えば、ギャラドス。
威嚇を考慮すれば、ストーンエッジや雷パンチを耐えれます。
そこで、1ターン目に竜の舞をすれば、次のターンでゴウカザルを倒すこともできますし、その後も有利に戦うことが可能です。これは、カイリューやボーマンダも同様です。

他には、ゲンガー。
先手を取って催眠術で眠らせて、次のターンに身代わりを張れれば、ゴウカザルを倒した後も有利になります。

ちょっと変わった戦法も紹介します。
アグノムを出します。相手は先手のサイコキネシスで倒されることを警戒して交換します。その交換読みにとんぼ返りを当てれば、相手の交換に対応してこちらも交換できます。


8.最後は運で

運が良ければ、あっさり倒せる場合もあります。

ヤドランVSゴウカザル。
相手は物理型ならとんぼ返り、特殊型なら草結びで攻めてくるとします。そこでヤドランに先制の爪か光の粉を持たせていれば、攻撃を受けずに返り討ちにできる場合もあります。

また、砂隠れや雪隠れで回避を図って反撃するという方法もあります。これは砂嵐や霰によるダメージも期待できます。

あまりおススメはしませんが、運で勝てる場合もあるので、最後まで諦めずに戦いましょうということで・・・。


以上で、二部にわたってお送りしてきたゴウカザル対策を終了します。

対策論は、理論よりになると実戦に適さない、実戦よりになると独りよがり、との批評がつきまとうものですが、少しでも皆様のお役に立てればと思い、一筆とってみました。

感想・補足意見・反論等がございましたら、メールや掲示板でお願いします。


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