第九回:ノンキなトリパ(1)

今回は、先の第三回HIRO's杯において、トリックルームパーティを駆使し、MIPに輝いたノンキさんが、特別にトリパ講座を執筆してくださいました。
ダブルバトルでは良く見かけるトリックルームですが、有効ターンの制限からシングルでは使用頻度が低い技です。しかし、上手く使いこなせれば非常に効果的ですので、今回の考察を参考にして頂ければと思います。
尚、文章はノンキさんの原稿を元に、一部管理人が修正・追記・変更をしております。


其の壱:トリックルームを知る

トリックルーム:5ターンの間、素早さの遅いほうのポケモンが先に攻撃が出来る
(以下、“トリル”と省略させていただきます)

トリルの状況下であれば遅ければ遅いほど、先手がとりやすいというわけです。
ただし、アクアジェットや手助け等の先手技や後攻の尻尾等のアイテム、すいすい等の特性、そして天気の影響もトリルの影響を受けませんの注意が必要です。

そして、上の説明に5ターンの間とは書かれていますが、トリルを使ったターンもそのうちに含まれますので実質、動けるのは4ターンです。
大爆発等で主力につなげるというとなれば、さらにターン数が削られます。

また、瀕死になってから新たにポケモンを出したときにステルスロックやまきびしの効果で瀕死になった場合は、ターンは経過しませんのでターンの数え間違いにはご注意ください。


其の弐:攻めパターン

まず、トリルを使うポケモン(以後、“トリラー”と表記)とその後続のアタッカーのポケモンとに分かれます。
基本的な流れは、トリラーはトリルを使い、そして、アタッカーへと繋ぎます。

シングルでは、ここが一番重要となってきます。
トリルは前述したようにターン数がとても短い技で、湿った岩のようなターン数を伸ばすアイテムも存在しません。この短いターン数を有効に使うには、いかにして、自分が優位に立つようにアタッカーに繋ぐかがキーとなります。

ただ単純に抵抗力のあるポケモンに交代するのもよいのですが、繋ぎにはいくつかパターンがあるので順に紹介してゆきます。


・パターン1:トリル→大爆発

トリルのあとに大爆発で大ダメージを与えてトリッカーに繋げる典型的なもの。
相手を倒すことが出来なくても大爆発の場合、後続のポケモンを出すのは相手ポケモンの攻撃が終わった後になるので安心してポケモンを出すことも出来ます。
ただし、読まれやすいのでゴーストや鋼タイプに交代される可能性が高めです。
そこを読んで爆発せずに交代できれば良いのですが・・・。

主なトリラー:
ドータクン、ナッシー、等

備考:
弱点が少なく、ステルスロック等の補助技も覚えるドータクンが一番やりやすいと思われます。
また、ナッシーは特攻に優れていますので相手によってはそのまま戦えます。ただ、弱点が多いので素直に爆発を選択した方が無難かもしれません。もし、相手の特防が低いのであればタイプ一致のリーフストームも手です。


・パターン2:トリル→道連れ
トリルのあとに道連れで同士討ちを狙うパターンです。
確実に相手一匹を犠牲にしてトリルを繋ぐことができます。
また、トリルを使う前に牽制として使うことも可能です。

しかし、道連れ読まれてしまうと相手に交代や回復等を行われ、1ターン無駄になってしまいます。逆にそれを読むことが出来れば無傷で交代が出来ます。

また、道連れは次の自分の行動まで効果が継続しますので、トリル最後のターンに道連れを使い、倒されなくても次のターン、相手を道連れにするかトリルをまた展開するかのどちらかの2択を迫ることが出来ます。
吠えるや挑発には注意が必要です。

主なトリラー:
ヨマワル族、ラルトス族、等

備考:
これぐらいしか遅いポケモンはいません(
そして、進化してないポケモンはおそらくトリルを使った時点でバレバレです。
ただ、ヨマワルはいたみわけも覚えるので2択を迫ることが出来るので面白いです。
サマヨールの方がやりやすいのですけどね(ぁ
ヨノワールは素早さが45なので一部のポケモンに対しては不利になるかもしれません。


・パターン3:トリル→置き土産
置き土産で相手の力を削いで繋げるパターン。
繋がれたポケモンは攻撃力アップ技(剣の舞等)を使用し易くなります。
序盤で使うなら鈍い、剣の舞、これらはトリルが切れても効果を発揮してくれることもあります。終盤に試合を決める時には腹太鼓が大いに力を発揮してくれるでしょう

ただし、どちらにしてもトリルのターンが、トリル→置き土産→積み技→攻撃となり実質動けるのは2ターンのみです。一匹を犠牲にすることになるので確実に詰めていきたいところです。
ちなみに大爆発と同じで相手の攻撃が終わってから戦闘に出てくることになります。

主なトリラー:
ヨマワル族、ラルトス族、等

備考:
硬いヨノワールが扱いやすいと思われます。
また、技の選択が少なくなりますがパターン2とも組み合わせが可能といえば可能です。


・パターン4:トリル→癒しの願い
トリルのあとに癒しの願いを使いダメージを受けたアタッカーを再降臨させるパターン。
腹太鼓や捨て身系の技を使ってHPが削れていても繋げるパターンです。
他のパターンとの応用が利きやすいところが魅力的です。

ただし、先手で癒しの願いを使うと、相手の攻撃を受けることになってしまうのでそれなりの読みが必要です。また、後攻で使うとしてもトリラーの耐久力がないと決まりません。これらを踏まえると扱いは難しいと言えます。
更に、交換先のポケモンは癒しの願いより前に、ステルスロックや撒きびしのダメージを受けるため、あまりにHPが減っていると回復前に倒れてします。
しかしながら、癒しの願いは別のポケモンに対しても有効なので、臨機応変にトリルを使わないで使うのも良いと思います。

主なトリラー:
サーナイト、エムリット、チリーン、バリヤード、クレセリア、等

備考:
一番硬いクレセリアがやりやすいです(「癒しの願い」ではなく「三日月の舞」ですが)。次点でエムリット。
ルール上、伝説抜きの場合はどのポケモンも少し防御には劣りがちです。
しかし、どのポケモンも素早さが早めで攻撃(特殊)も高めのポケモンが多いので、相手の交代を誘ってのトリルを狙うことも可能だと思われます。


・パターン5:トリル→バトンタッチ
トリルからのバトンを繋ぐパターン。
決まれば3ターン一撃並みの破壊力を得ることができます。

ただし、これはトリルを使う前に積み技を積んでおかなければ成り立ちません。そうなるとトリラーの技はかなり制限されてしまいます。また、積んでからのトリルバトンは他に比べ、必要ターンが長くなってしまいます。なので耐久にはかなり気を配らなければならない上に、「吠える」や「挑発」で簡単に防がれてしまいます。

また、トリラーとは別にバトン用のポケモンを用意するのも方法して存在しますが、この場合は更にターン数に時間がかかってしまい、上に書いたように簡単に防がれてしまいます。
バトン要員は「剣の舞」や「悪巧み」なら応用も利くとは思います。

主なトリラー:
エーフィ、バリヤード、等

備考:
鈍いトリルバトンを一匹で出来るのはエーフィしかいません
他のポケモンは「瞑想」ぐらいしか・・・・・
まぁ、他にバトンポケを導入するのであれば上の通りですが(ぁ


・パターン6:トリル→とんぼ返り
トリルのあと「とんぼ返り」で攻撃してからトリッカーに繋げるパターン。
相手が交代しても確実に優位になるポケモンを戦闘に出すことが可能となります。

主なトリラー:
アグノム、ユクシー、エムリット、ネイティオ、他

備考:
純粋にやりやすいのはユクシーとエムリット。
ユクシーは硬く、エムリットは癒しの願いを覚えます。
ただし、伝説無しだとネイティオしか使えません(ネイティとドーブルがいますが耐久が((


・パターン7:トリル→そのまま
トリラーをそのまま戦わせるパターン。
バトンを受けるか積み技を使わない限り威力不足となり、アタッカーより攻撃力が劣ります。
相手が素早いポケモンに入れ替えたターンにトリルを発動できれば、こちらが先手を取り優位に立てます。
また、トリルが切れてもまたすぐにトリルを発動できるのが魅力的です。
「吠える」等には相変わらずご注意を(ぁ

主なトリラー:
ドータクン、ヤドキング、ヤドラン、等

備考:
鈍いバトンで有効なのはドータクン
更に遅くなることで大抵のポケモンに高威力の「ジャイロボール」が可能。
ヤドキング、ヤドランは技が豊富で、前者は悪巧みも覚えます。


以上、この7つが繋ぎのパターンとなります。
Part2ではパーティ構成や繋がれるポケモンについて、扱います。


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